過去の展覧会(平成23年度)

游セレクション心の華
岩松是親油彩展

開催期間
平成24年2月16日(木)~2月25日(土)

洋画家の三岸節子氏に師事し、自らの後継者と言わしめた氏は明治8年創業、夏目漱石も通った老舗の額縁店、銀座「古径」の経営者兼額縁デザイナーでもあります。
家業修業時代に林武、中川一政、小磯良平、海老原喜之助、片岡球子、加山又造氏など日本の洋画壇、日本画壇を代表する諸先生に画家としての薫陶を得る機会に恵まれました。
岩松氏の作品には「生きていることの歓びと苦悩」が描かれています。
咲き誇る大輪の薔薇、抒情的な静物、静謐な風景画。物静かで滲むような筆致の作品に込められた、狂おしいまでの情念は見る者の心を強く捉え、揺さぶります。
八度目の今個展は、氏と四半世紀の交友を重ねてきた赤坂游ギャラリー所蔵の10点と新作3点を含んだ13点を展示いたします。
是非ご高覧賜りたくご案内申し上げます。


織部の力
鈴木智 作陶展

開催期間
平成24年1月26日(木)~2月4日(土)

りんごの枝を剪定し薪として、出た灰を釉薬として使用するりんご釉。織部の緑色、辰砂の赤色をより鮮明にし、温もりの表情を与えるりんご釉には、再生の力が秘められているようです。鈴木智氏の作り上げる器は、この作陶法をもって、より力強さを増しています。
瓶子を中心に展示し好評を博した前回。今回は食器を中心に展示いたします。 是非ご来場 ご高覧賜りたくご案内申し上げます。


新春 酒器展
特集:加藤孝爾ノ酒器

開催期間
平成24年1月5日(木)~1月14日(土)

赤坂游ギャラリーと縁の深い、現代陶芸を代表する作家30名による酒器展を開催いたします。 意匠も様々な60点の酒器の中から、自分だけの器で新年を迎えていただきたく、ご案内申し上げます。


迎春 高麗李朝
龍文展

開催期間
平成23年12月15日(木)~12月24日(土)

今年は東日本大震災、史上最高の円高と欧州の財務危機を契機とする不況風に翻弄された一年でありましたが、来年の干支は“龍”。
龍文は陽気が動き草木が伸長する状態を表します。吉兆の最高文様です。
また中国・朝鮮では古来より高貴の象徴とされており、皇帝のみが使う事を許された文様。
皆様方の来年の運気上昇をお祈り申し上げ、今年度最期の展覧会を来年の干支にちなんだ龍文展といたしました。
師走の慌ただしい時節ではありますがご来場、ご高覧賜りますようお願い申し上げます。


古往今来
ペルシャ古陶展

開催期間
平成23年12月1日(木)~12月10日(土)

8世紀から16世紀にかけて現在のイラン周辺地域で発展したペルシャの陶芸からは、イスラーム美術全体における傑作が数多く生まれました。
代表的な彩色方法の一つであるラスター彩は、白釉に金色の酸化物で文様を施すというもので、金属の耀きに似た表情から、ラスター(光沢)と呼ばれました。衰退した後は製造法は明らかにされておらず、神秘の器として見る者を魅了します。
今回はラスター彩を始め、緑釉、青釉、白釉、三彩の作品30点を公開します。是非ご高覧頂きますよう、ご案内申し上げます。


彩文土器
寺本守陶展

開催期間
平成23年11月19日(土)~11月26日(土)

栃木の益子と並ぶ茨城の窯業地笠間を代表する陶芸作家寺本守氏の三度目、十六年ぶりの個展を開催します。銀彩、彩泥、彩文、黒陶文様による意匠は幾何学的なデザイン性を持ちながら焼成は焼き〆による土の味わい、自然なテクスチャーを感じさせます。
パリ、ニューヨークでの展覧会を開催するなど国際的な活躍をする氏が赤坂游ギャラリーの移転後初の陶芸個展ということで渾身の新作35点を発表されます。ご高覧賜れば幸いに存じます。


第十一回 蔵出し展
中国古陶磁Ⅴ

開催期間
平成23年10月22日(土)~10月29日(土)

中国古陶磁コレクターのコレクションからの蔵出し展を開催いたします。
装飾的価値の高い唐の三彩から、官窯の一つで澱青釉を特徴とする釣窯の碗、図画化された経典である西周時代の曼荼羅図まで、日本にとって近しい存在でありながら、多大な影響を与えた中国の文化を代表する貴重な作品36点を展示いたします。
日頃お世話になっている皆様にお求めやすい価格にてご提供させていただきます。
是非この機会にご来場・ご高覧いただきたく、ご案内申し上げます。


移転開廊記念Ⅱ 古往今来
高麗・李朝工芸美術展

開催期間
平成23年10月1日(土)~10月8日(土)

移転開廊記念第Ⅰ部では漆芸界で次代を担う小椋範彦氏の個展を開催します。
第Ⅱ部では「古往今来」として日本文化にも影響を与えた高麗・李朝の工芸美術作品を集積した企画展を開催いたします。
青銅、陶磁器、李朝家具、民画、木彫など40点を準備いたしました。
伝統、歴史をベースにしない現代文化はありません。
異文化、異民族と交流することによって新しい文化は生まれます。
新ギャラリーでのご高覧を賜りたくご案内申し上げます。


移転開廊記念Ⅰ
漆の華 小椋範彦漆芸展

開催期間
平成23年9月10日(土)~9月17日(土)

この度新ギャラリーのオープン記念企画として東京芸術大学漆芸研究教室准教授小椋範彦氏に個展を 依頼しました。芸術院会員・人間国宝 故松田権六、東京芸術大学教授・人間国宝 故田口善国を継承する 日本漆芸界のプリンスともいうべき漆芸家です。
乾漆、蒔絵、螺鈿による棗、香合、飾箱という伝統的な形体、様式美から研出蒔絵による50号大のパネル画 まで、表現形態は多様です。若い頃、油彩に親しんできた小椋氏の感性が伝統的な漆芸の技法を駆使して表現 しています。油彩、岩彩、水彩、パステルを凌ぐ蒔絵絵画が日本工芸のみならず日本美術の活路を拓くことを期待してます。
赤坂游ギャラリーも開廊以来25年目となりました。折からの東日本大震災を転機に移転を決意しました。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。


砂の雫
村山耕二ガラス展

開催期間
平成23年7月23日(土)~7月30日(土)

仙台在住の村山耕二さんの四回目の個展を開催します。
東日本大震災では村山氏の工房も大きな被害に遭い、個展の為に選び残した 作品もほぼ全壊したと聞き開催を危ぶんでおりました。
しかしながら二十歳の頃リュック一つでタクラマカン砂漠を横断しインド、パキスタン、エジプト、サハラ砂漠を独り歩いた逞しさは当方の心配をよそに「大丈夫です。頑張りますから予定とおりやらせてください。」という返事でした。 ご案内の白瑠璃水想器は古代ガラスを再現したものです。碧色はモロッコ大使館の協力を得てサハラ砂漠から取り寄せた砂を原料に使い、鼈甲色のガラスは仙台を流れる広瀬川の河原の石を原料とし、化学物質を着色したガラスではありません。 自然を原点にした村山氏の制作姿勢は東日本大震災から学んだ人間の復元力を作品に 込め皆様方にご高覧いただけるものと存じます。


第十回蔵出し展
中国古陶磁Ⅳ

開催期間
平成23年6月2日(木)~6月11日(土)

黄河下流域龍山文化に始まる中国古陶磁の歴史は3000年の歴史を有します。 元から清朝の官窯ばやりの昨今ですが、日本人好みの中国古陶磁は古来から 唐時の三彩、宋の青磁・白磁、明の赤絵などが代表的なものでした。 決して官窯の完璧な様式美に美ばかりを求めたものではありません。
弊ギャラリーで平成19年末、平成21年初に開催、皆様にご覧いただいた K氏コレクションは第一級の高額な作品はありませんが日本人好みのものを 中心としたもので大変ご好評を頂きました。
今回はK氏提供の最期のコレクション展となります。戦国時代~明時代まで57点、 お手に入りやすい価格でご案内いたします。
ご来場、ご高覧をお待ちいたしております。


古往今来
江戸慕情 泥絵展

開催期間
平成23年5月12日(木)~5月21日(土)

泥絵は江戸の終わりの一時期、産まれ、そして間もなく消えていったまぎれもない 日本美術史のカテゴリーです。 浮世絵のように高額でなく日本美術史に燦然と位置するものでもありません。
購入の目的は旅人の国元への土産であったと云われています。主題は江戸名所、神社仏 閣、大名屋敷、東海道の宿駅。
技法は遠近法を活用し、西洋におけるグァッシュに似たものです。初期洋画、洋風画 とも言われます。司馬江漢は代表的な泥絵画家ですが、他は名も無き絵描きたちです。 画面半分が鮮烈な蒼い空に覆われている作品が多く、描かれる人物は小さく、果てしな い青い空は“間”を大切にした江戸期の画家の様式美を窺うことが出来ます。
江戸の街を正確に描写した泥絵を通じ、和やかなひとときをお楽しみ下さい。


初個展 ペルシャ憧憬
番浦 匠 作陶展

開催期間
平成23年4月14日(木)~4月23日(土)

匠さんの祖父は漆芸家番浦省吾氏(日展理事)、叔父は昭和の光悦と称された陶芸家 番浦史郎氏。氏は当然のごとく作陶家の道を目指した。
美大を卒業した氏は伊賀上野に叔父番浦史郎氏が縁戚の日本画科加山又造氏とともに 開いた広大な工房で作陶修業をするという幸運にも恵まれました。
音羽山房は内外の著名人が多く訪れ、作陶のみならず作家人生の有り様も自然に学んだ。
伝統の中に育ちながらも斬新な様式美を発表し続けた番浦省吾、番浦史郎、加山又造氏 ら同様匠氏の才の開花にご期待いただければ幸いです。


初個
栗本夏樹 漆展

開催期間
平成23年3月24日(木)~4月2日(土)

京都新門前にある現代美術のギャラリーで栗本氏の「精神の刀」と題する立体作品を初めて観てから20年近くなる。古材の台座に垂直に刺さる刀の形とミロ、パウル・クレーを思わせるアフリカンアートが日本のお家芸である漆、螺鈿の技法により装飾されていた。 全く異質である日本の伝統文化とアフリカの原始美術が氏の中では見事に調和していた。昨年栗本氏と面談した際、「異文化との出会い」が制作の核心にあると聞き20年前の新鮮な驚きが腑に落ちた。
待ちに待った初個展、ご高覧賜れば幸いです。


守 破 離
加藤春鼎作陶展

開催期間
平成23年3月3日(木)~3月12日(土)

加藤春鼎さんの三度目、六年ぶりの個展を開催します。
加藤氏は瀬戸の陶祖といわれる江戸中期の陶工加藤景元を祖とし、愛知県立芸大設立時から指導的な立場にあった加藤作助(伸也)氏、日展審査員を務めた故加藤舜陶氏、加藤鈔氏を親族とする名門窯主です。一方、自ら企画しフランス、スペインで作陶、個展開催するなど作陶家として発表の場を海外に求める意欲ある陶芸家であります。今回発表する作品は引き継いだ伝統を保守する“守”、それを打ち破る革新的な“破”、そして保守しながらも“離”することで自らの様式を確立したいと研鑽した加藤氏の苦闘の跡が窺えます。