- 古往今来 -
高麗李朝 古陶磁展
-In All Ages-
Goryeo,Joseon Ceramic Exhibition

開催期間
令和4年3月24日(木)~4月2日(土)
Mar 24 (Thu.) to Apr 2 ( Sat.), 2022
11:00~18:00
会期中は休まず営業いたします。
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ご挨拶▼

赤坂游ギャラリーでは創業以来三十五年日本美術を中心に関連する朝鮮半島、中国、ガンダーラ古美術の逸品を企画展を軸にご紹介すべく努めております。 今回は高麗李朝古陶磁展のご案内をさせていただきます。十二世紀高麗時代の官窯として栄えた全羅南道 康津(カンジン)の鉄彩手梅瓶、15世紀の李朝王朝初期の官窯で作られた白磁皿、李朝の始まりとともに衰退した高麗青磁に代わり登場する紛青沙器の中でも希少性と特異な形状で日本の数寄者を魅了した芋頭水指など高麗李朝展としては貴重、希少な作品を中心に三十点を展示、開催します。 今回特筆すべき作品は
①白磁 鍔 縁平皿
李王朝の官窯が成立した十五世紀を代表する器。深雪を思わせる道馬里系の淡青白磁に、水平に張り出した口縁と段のある側面は数寄者に白磁段皿と呼称され、その凛とした形状は李王家のみのために制作された「御器」として品格があります。
②青磁鉄地象嵌人参葉文
梅瓶 (鉄彩手)一見“黒高麗”に見え、日本では鉄彩手と言われ黒高麗の様式の一つとみなされていましたが、胎土に鉄泥を掛けて焼成したものではなく、青磁土を素焼きにした表面に黒釉(鉄)を塗り、白土で文様を象嵌し、鉄分を微量に含む”青磁釉”を上釉として掛けた上、焼成したもので、薄い緑がかった釉調を帯び幽玄な美を感じさせます。胴裾から肩にかけS字状に緩く伸びた立ち姿と一本の茎から左右に広がる人参葉文が簡潔で美しい。作例は少なく数寄者垂涎の高麗時代の様式美です。
③紛青沙器 印花 連珠文 壷 (芋頭水指)
銘 高霊仁寿府
口縁を平らに切り落とし、器面全面に押印された印花文と四重の帯線を二段線刻し、銅裾が張り、高台は小さく削り出され、器形全体の趣を引き締まったものにしています。十五世紀に登場しますが類例も少なく、やがて刷毛目に代わり十六世紀には消滅するため茶人には”芋頭水指”と呼ばれ垂涎の茶道具です。 銘の仁寿府は官窯を管理、集積する官庁であり、高霊は慶尚北道の地名であり官窯があったと推測されます。
安土・桃山期より日本の茶人、数寄者を魅了し続け収集対象となった高麗李朝の逸品を掌中にて触れ楽しんで頂ける展覧会です。 桜の花も芽吹く候、ご来廊頂き談論風発いたしたくお待ち申し上げております。
                           令和四年如月吉日
                           赤坂游ギャラリー 主人敬白



【出品作品】▼

高麗李朝作品二十八点(内 酒器七点)   新羅時代金銅仏一点 李朝初期木彫仏一点 
計三十点

 

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